荒川青の日常を切り取るドキュメンタリーのような映像が心地よく、役者それぞれが自然でフラットに映っている姿が印象的だ。ふわりと放たれた言葉は空気となじみ、セリフではないように感じるほどだ。
「僕に関しては、ほとんど台本通りしか言っていないです。アドリブはほとんど入れていないですね。セリフを覚えて現場に行く、あとは現場に入って、役者が動いて、それに(演技を)返していくだけ。普段から役作りというのをしていなくて、そもそも何が役作りかというのも分かっていなくて(笑)。どんなシーンでも、その人の話を聞く、その人に何かを伝えることだけだと思うんです。特にこの映画は、それをフラットに、新鮮にやりたかったという意識がありました」